ガンバ大阪の南野 遥海選手は、クラブの攻守において重要な役割を担う期待の若手選手。シーズンを通してその成長を遂げ、ますます注目を集める彼のプレースタイルや今後の展望について詳しく分析していく。彼のフィールドでの動き、戦術的な適応力、そして将来へのポテンシャルを掘り下げ、南野選手がガンバ大阪にとって欠かせない存在となる理由を探る。
*あくまで個人的な分析などをまとめているので、もし不足なところがあれば、お問い合わせフォームからご意見頂けると幸いです。
*通算成績=リーグ戦、カップ戦の合計
基本情報

南野 遥海(みなみの はるみ)
2004年5月13日生まれ
兵庫県出身
ポジション:FW、MF
身長:176cm
利き足:左
戦績:36試合7ゴール2アシスト(2024シーズン)
生い立ち

小学生時代:ウィングスSS習志野
中学時代:セレッソ大阪U12、ガンバ大阪ジュニアージュニアユース
高校時代:ガンバ大阪ユース
2022~ ガンバ大阪(二種登録)
2023~ ガンバ大阪ーテゲバジャーロ宮崎(期限付き移籍)
2024~ 栃木SC(期限付き移籍)
2025~ ガンバ大阪
ガンバ大阪ジュニアユース時代、2019年 高円宮杯 JFA 全日本U-15サッカー選手権大会にてチームの優勝に貢献。FWとして圧倒的な決定力を発揮し、チームの攻撃を牽引。特に左足から放たれるシュートで得点王に輝いている。この大会での活躍が、ガンバ大阪下部組織のエースとして名を高める大きなきっかけとなった。
プレースタイル
攻撃(オフェンス)
【フィジカル】と【優れたボール捌き】
フィジカルの強さでボールを納め、冷静にパスを展開したり、相手を振りほどいて前を向く強引さのあるプレーもみられる。セットプレー時には、ゴール前でGKを抑えて味方のシュートコースを空けるような献身的なプレーにもフィジカルを活かしている。
ボールをパスの出し手から遠い方の足でトラップしている。ボールにタッチしようとすれば、身体が自然と前を向き、前線へのパスコースをスムーズに移行しやすい。それが出来ているときは、パスを出すときの判断が早く、その後の動き出しも早い。
【ポジショニング】と【デスマルケ】
センターフォワードに位置取りするときは、最終ラインの【手前】にポジションを取っている。パスやクロスが出る前にライン上で裏抜けしまうと、タイミングが合わなかったときにオフサイドを取られやすい。なので、中央で裏抜けをする際は、南野選手の様に相手最終ラインの手前からランニングを仕掛ける意識が大事になってくる。
加えて、相手のマークを剥がす動き(デスマルケ)が秀逸。全体で相手を押し込みライン上でマークに付かれている時、相手がボールに意識が向いている隙を見てライン間へと降りてフリーの状態を作り出す。そこからパスを受けたり、ダイレクトでシュートを放つ場面がみられる。
守備(ディフェンス)
【身体にいく守備】
プレシャーを掛ける際にボールを奪うことが目的になりがちな選手が多く、そういう選手ほどファールも多い。あくまでボールを動かしているのは人であるため、相手に思い通りのプレーをさせないことが守備の原則(削ることと同義ではない)。相手に身体を当て、相手が体勢を崩せばプレーがスムーズに続く事は少ない。相手に抜かれそうになるのであれば、自身の裏に出たボールよりも出した相手にボールを触らせないよう身体を当てに行くことを最優先に考える。南野選手は、前者の守備意識が定着しており、自身のフィジカルの利点をよく考えている。
【トランジション】と【前線プレス】
MFとしてのプレー経験がある恩恵なのか攻守の切り替えが早い。フォワードが守備への切り替えが早いと、相手カウンターを未然に防ぐことができ、相手陣内で守備をするため試合の主導権を握りやすくなる。
そして、前線でのGKに対してプレッシャーを与える際、パスコースを消しながらプレスを掛けにいく。GKへプレスを掛ければ、相手のミスを誘いゴールを奪える可能性は高い。その際に、相手近くのパスコースを消しながらプレスを掛けることによって、さらにプレッシャーを与えることが出来る。パスコースをひとつ潰せるため、パスコースが限定され、そこからプレスの嵌め所を作りやすくなる。GK以外の相手に対し、出し先を気にして寄せきらないプレーが見られるが、二度追いするのを禁止されているのだろうか。。。
今後の改善点
斜めにランニングする裏抜け。斜めに移動することで、相手マークの受け渡しをしづらくさせられる。中央からポケットへ斜めに移動したり、サイドからゴールへ向かう移動で相手を翻弄させることが出来る。
正対の意識が薄い。足の速さを武器にしている訳ではないので、相手と対峙した際に間合いが詰まった状態で強引にクロスやパスに持って行く場面が見られる。相手に対峙する際は、正面を向け、相手に正対を組む。こうすることで相手の左右にドリブルやパスコースが生まれる。抜かれたくない相手は、強制的に動作を伺う時間が生まれ、これを利用してチームの上がりを待つことも出来る。相手がプレスを掛けてくるならば、蹴り足に仕掛けて突破を図ればいいし(蹴り足を出した際に他方の足に体重を乗せるため二次動作に以降しにくい)、こないなら味方にパスを送ることが出来るだろう。
ボールを優先した競り合い。ロングボールに対して落下地点に後から入るが、人ではなくボールにアプローチを掛けている。これではボールの軌道を見誤ったときに相手へボールが渡りやすい状況を作り出してしまう心配が拭えない。あくまでボールを動かすのは人である事から、落下地点に対して相手に後から競り合う。こうすることで相手のフィジカルあるなし関係なく体勢を崩せ、相手よりも先にボールを支配しやすくなる。
南野 遥海選手は、まだ21歳という若さでありながら、Jリーグの舞台でその才能の片鱗を証明している。特にその特徴的なプレースタイルは、今後さらに磨かれることだろう。守備意識やドリブル技術だけでなく、正対の意識も加われば、さらなる成長が見込まれる。また、攻撃においても、守備を支えるだけでなく、試合の流れを変える局面でも献身的に働く姿勢があり、総合的な選手としての資質を持っている。
南野選手は、今後のJリーグを代表する若手選手として、さらに注目されることは間違いない。将来的には、海外リーグでの活躍や、代表チームに招集される可能性も十分にある選手。その成長を見守りながら、今後のキャリアにおける活躍に大いに期待している!
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