新しい選手が冬移籍してきたことで、これから活躍しそうな選手たちに期待が膨らんでいると思います。そこで、今回はスペインのラリーガで個人的に「期待する若手選手」にピックアップして紹介したいと思います!
*あくまで個人的な分析などをまとめているので、もし不足なところがあれば、お問い合わせフォームからご意見頂けると幸いです。
*通算成績=リーグ戦、カップ戦の合計
*2002年1月1日以降(21歳以下)
FW(フォワード・攻撃)
ニコ・ウィリアムズ
ニコラス・ウィリアムズ・アルトゥール(Nicholas Williams Arthuer、2002年7月12日~)
スペイン・ナバラ州パンプローナ出身。アスレティック・ビルバオ所属。スペイン代表。実兄は同じくアスレティック・ビルバオでプレーしているイニャキ・ウィリアムズ。181㎝。通算43試合9ゴール6アシスト(2022~23)。
攻撃:スピードの調節をしながらカットインでシュートも打てる。その際にニコは肩があまり下がらない。肩を下げずに体重移動することによって、プレーキャンセルを行いやすい。状況判断も良い。オフサイドラインで相手の背中に入ると(相手の死角に入ることで裏抜けした後の守備を遅らせる)、ライン上から一度抜けて(ライン上で動き出すとオフサイドになりやすい)パサーの出しやすい位置に裏抜けしてくれる。クロスの精度も上がってきているのでフリーキッカーを任されている。
守備:プレッシングの入り方が良い。スピードをつけて寄せに行けるので対応が早い。体幹の強さもありフィジカルの強い相手にも当たり負けしない。改善点としては、守備の立ち位置。パスコースを切りたいなら首振りで、周りの状況を確認して相手のパスコースを潰しに行くのがセオリーだが、マークについていた相手の立ち位置からパスコースを切っている。そのため、コースをあまり限定できていないことが多い。
2021~ アスレティック・ビルバオ
MF(ミッドフィルダー・中盤)
ペドリ
ペドリ(Pedri)こと、ペドロ・ゴンサレス・ロペス(Pedro González López,2002年11月25日~)
スペイン・カナリア諸島州サンタ・クルス・デ・テネリフェ県テゲステ(英語版)出身。FCバルセロナ所属。スペイン代表。174㎝。通算35試合7ゴール1アシスト(2022~23)。
攻撃:中盤のゲームメイカー。アピアリングの能力が高い。アピアリングとは、味方のパスコースに移動する際の技術のことを指す。ペドリは相手の背後を使い、横にずれる、縦に降りていくなどのパスコースを相手に読ませない。しかも、パスを受ける前に首振りで周りの状況を把握しているため、次の展開を予測してフリーのスペースにパスも出せる。インステップ(足の甲)でのシュートでふかしてしまう時があるので、体重をかけてシュートを行えるようになると得点源になれる。
守備:守備に穴がなくなってきている。危ないシーンで戻ったり、守備に切り替わる瞬間にしっかり走ってくれる。体格は、ほかの選手たちと比べると小さいため、フィジカルコンタクトは少ない。だが、相手の死角からプレスをかけて奪いにいけるし、最近では負傷離脱していた期間にフィジカルトレーニングで筋量も増え、当たり負けしにくい身体作りも行っていた。
2020~ ラス・パルマス/FCバルセロナ
ガビ
ガビ(Gavi)こと、パブロ・マルティン・パエス・ガビラ(Pablo Martín Páez Gavira, 2004年8月5日~)
スペイン・アンダルシア州セビリア県ロス・パラシオス・イ・ビジャフランカ出身。FCバルセロナ所属。スペイン代表。173㎝。通算49試合3ゴール7アシスト(2022~23)
攻撃:総合値が高く、闘志を感じさせるMF。ボール持つ前に展開を予測でき、相手の逆もつける。ターンして相手をいなしながらキープでき、前線に飛び出せるときにはゴール前にも入っていける。味方の動きに合わせてどのスペースにいるべきか、状況に応じたポジショニング修正が苦手。
守備:味方がボール失った後の守備でアグレッシブにいき、危機的な局面を打開できる。先程も言ったように、状況に応じたポジショニング修正が苦手なので、相手のパスコースを消す動きはあまり得意ではない。
2015~ レアル・ベティス(ユース)/FCバルセロナ(ユース)
ジュード・ベリンガム
ジュード・ヴィクター・ウィリアム・ベリンガム(Jude Victor William Bellingham, 2003年6月29日~)
イングランド・ウェスト・ミッドランズ州スタウアブリッジ(英語版)出身。レアル・マドリード所属。イングランド代表。186㎝。通算42試合14ゴール7アシスト(2022~23)
攻撃:ゴール前に飛び出していける二列目MF。ロックしようとした選手を弾き飛ばして、助走付けた状態でヘディングできる強靭なフィジカルを持っている。相手FWによる前プレがはまりやすい低い位置でのボール捌きも落ち着いている。
守備:しっかりコースを抑えながらプレスの強度を高く保てる。 左WGの起用が一番ハマる。中に入ってプレーしたい選手なので、オーバーラップするSBとの相性がいい。中央だと守備でどの相手を抑えるべきかの判断で緩むときがある。
2020~ バーミンガム/ドルトムント
2023~ レアルマドリード
ハビ・ゲラ
ハビエル・”ハビ”・ゲラ・モレノ(Javier “Javi” Guerra Moreno、2003年5月13日~)
スペイン・バレンシア州ジレ出身。バレンシアCF所属。187㎝。通算35試合2ゴール1アシスト(2022~23)
攻撃:走力が高く、パスの技術も優れている、ロングボールやスルーパスも蹴れるので攻撃の起点になる あえて相手に寄ることでスペースを作る、寄せて相手をロックすることでフリースペースを生み出し、味方が裏抜けしやすくしたり、相手ディフェンスはそのスペースを使われたくないためプレスに行きづらくなる。
守備:インターセプトなどの守備能力も高い。ただ、プレスの強度やパスコースの切り方の緩さが目に付く。ディフェンスラインまで下りていくときも、味方が守備のサポートをしてほしい時でもカウンターできる位置に立つだけで共有できていない。フィジカルやヘディングなどの空中戦を苦手としているが、フィジカルトレーニングで筋量を増やしていけばすぐに改善し、もっと活躍の場が広がるだろう。
2019~ ビジャレアル(ユース)/バレンシアCF(U18)
パブロ・バリオス
パブロ・バリオス・リバス(Pablo Barrios Rivas、2003年6月15日~)
スペイン・マドリード出身。アトレティコ・マドリード所属。スペインU21代表。181㎝。通算38試合3ゴール1アシスト(2022~23)。
攻撃:はじめに、ポジショニングが良い。味方のカウンター時には前線に加わってセカンドボールを狙いに行くが、ビルドアップの時にはアンカーの位置に降りてパスをつなぐ位置に入り、メリハリがついている。そして、精度の高いパスでゲームメイクできる。正確なパスワークでビルドアップに参加し、前線が走り出しているときには精度の高いロングボールで攻撃の起点を作る。あと、狭いところでもボールをへそ下に置いて失わないのでエリア内に入られると厄介。オンザボールの時には緊張してか、首振りの回数が減るのでボールをもらう直前に周囲を確認できるようになるとボールロストも減るだろう。
守備:ボール奪取で存在感がある。中盤の選手にしてはアグレッシブにプレスに行ってくれるので即時奪還でカウンターが期待できる。そして、守備の献身性。最終ラインに参加して2対1の状況を作り出すのはいいが、ポジションがあまり良くない。2対1の状況なら縦に2枚はいって、1枚目のディフェンスが突破されたときに後ろから突破された方向にプレスをかけてプレッシャーをかけるのが良い。だが、バリオスの場合は横並びになってしまうため、強い選手だと縦に突破される危険性や突破されたくないため足をだしてエリア内でPKの判定をもらうリスクがある。
2017~ レアルマドリード(ユース)/アトレティコマドリード(ユース)
DF(ディフェンダー・守備)
ヤン・コウト
ヤン・コウト(Yan Couto)ことヤン・ブエノ・コウト(ポルトガル語: Yan Bueno Couto、2002年6月3日~)
ブラジル・クリチバ出身。ジローナFC所属。ブラジル代表。168㎝。通算26試合1ゴール2アシスト(2022~23)。
攻撃:予測力、ポジショニングに優れている小柄なWB。基本は中にポジションは取らず、外に広がってプレー。高い位置取りの場合は、ディフェンスの裏のスペースへの飛び出しを狙う。サイドでの1対1の場面では、マークする相手をいなしてボックス内に侵入。パスミスが多く、攻撃の起点やアシストを量産できないのが改善点。
守備:南米の選手特有の体格を駆使し、当たり負けせずにしっかりボールを保持できる。高重心で前傾姿勢にならないので、相手FWにドリブルで裏を突かれても、その後の対応が早い。タックルが一か八か。プレスで構え、自分に対して横を向いた瞬間にハメにいくと、パスコースが限定されているのでボール奪取しやすい。
2020~ コリチーバ/マンチェスターシティ/ジローナFC
2021~ SCブラガ
2022~ ジローナFC
ハビ・ロペス
ハビエル・”ハビ”・ロペス・カルバージョ(Javier “Javi” López Carballo、2002年3月25日~)
スペイン・ラ・オロタバ出身。デポルティーボ・アラベス所属。183㎝。スペインU21代表。通算35試合1アシスト(2022~23)。
攻撃:守備的SB。パスの精度や技術が高い。ショートパスもミスは少ないし、アウトサイドで高めのパスも出せる。フィジカルもあるのでセットプレーの貢献度も高い。相手の死角になる背中から動き出していて、サッカーIQが高いようにみえる。
守備:守備意識が高い。相手にしっかりマークし、死角になる背中に入れさせない、相手2枚を見ながら守備できる、相手FWにエリア内を突破されないように味方の裏に入って抜かれた時に対応できるようにポジショニング。激しくプレスにいかないので自陣に引き込みがちなのが怖いし、ボール奪取して攻撃の起点になることが少ない。
2017~ CDテネリフェ(ユース)/デポルティーボ・アラベス(ユース)
GK(ゴールキーパー)
フィリップ・ヨルゲンセン
フィリップ・ヨルゲンセン(Filip Jörgensen , 2002年4月14日~)
スウェーデン・スコーネ県ロンマ出身のデンマーク人。ビジャレアルFC所属。デンマークU21代表。190㎝。通算17試合出場(2022~23)
高さと跳躍力があり、シュートストップの反応はレベルが本当に高い。配球面は、高精度の中・長距離のフィード力はあり問題ない。ヨルゲンセン最大の強みは、至近距離からフリーで相手に打たれても止められる反応の良さ。サイズを感じさせない敏捷性でゴールを守り続けている。ポジショニングやチームメイトへのコーチングの向上は改善点。
2014~ マルメFF(ユース)/RCDマジョルカ(ユース)
2015~ ビジャレアル(ユース)
今回は、ラ・リーガの若手を中心に紹介しました。これまでプレミアなどの若手を分析し紹介してきましたが、どのリーグも共通して言えるのが、守備に原則を設けられているチームは強い。攻撃面では、個の質に依存する場面もありますが、守備で決まり事がないチームは、守備のずれ遅れなどのチームで穴を埋める作業なのでチームの完成度が可視化しやすいと思います。守備意識を選手だけでなく指導者側ももっと改善されていけばいいですね。最後まで読んでいただきありがとうございました!期待の若手選手をウイイレ(イーフト)やFIFAなどのゲームで使ってみると楽しみの幅が広がるので、よかったらこのサイトを参考にしてみて下さい!
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